西遊記〈中〉 (岩波少年文庫) (単行本)

 中巻です。

三蔵一行の好敵手?金角・銀角兄弟や、牛魔王と元妻の羅刹女、息子の紅がい児や二人目の妻玉面公主らが登場して、泣く子も黙る孫悟空もなかなか手を焼きます。

そして八戒はいつもの様に浅知恵と食欲のために更に状況をややこしくし、悟浄は暴れ者の兄弟子二人の間で生真面目に頑張り、三蔵は妖怪と災難にモテにモテまくります。

 多分大抵の読者は普通人の悟浄に共感しやすいと思いますし、私も、そんなに強くもないんだけど真面目に精一杯弟子をやっている彼が好きなんですが、兄弟子2人がうるさいせいかあんまり喋らないので寂しいです。

それでも1巻よりは出番が増えましたが。

 また、芭蕉扇や魔法の瓢箪というお馴染みの道具から、風を封じる仙丹や食べると7日間眠る仙丹、磁石のように武器や兵器を吸い寄せる輪・金剛琢など、あまり知らない面白い道具までばんばん出てきて楽しいです。

 「水滸伝」と違い、妖怪も奥さんや家族を大事にするし、悟空も悪漢には容赦がないけれど(そのせいでちょいちょい破門されるわけですが)弱いものいじめを嫌う男前な奴なので、女性や子どもに対しては紳士的なのが素敵ですね。

 振り返ってみると何となく妖怪よりも、人間の方が悪賢く心弱い存在に描かれているような気もします。

それが作者の人間に対する風刺を含んでいるように感じるのは、私の考えすぎでしょうか。