GEQ (単行本)

作者は、虚実の狭間を書かせたら、当代屈指ではないかなと思っています。

本作では、敢えて虚実(小説とノンフィクション)にこだわらずに描いたとのことですが、この部分はお見事。

しかし、お見事なのは狭間の部分なのであって、虚(お話)の部分がギャップありすぎのお粗末ぶり。

このジャンルの熟達の作品では、狭間でない、実と虚の取り合わせもまた絶妙なだけに、まだまだ発展途上かなと思いました。

グイグイと引きこませる部分の間の、主人公の月並みな描写の詰まらない言動が、一気に読ませる気持ちを削いでしまう。

不思議なもので、震災関係者の人物描写はリアリティを感じさせるのに、サスペンス関係者は本当に月並みで鼻につく。

「下山事件・最後の証言」「TENGU」と並べると、総合点で劣ります、ホント残念。

いいネタで仕事も悪くない寿司屋なのに、酒がどうにも不味い、客あしらいが無愛想じゃないが上手くない。

そんな感じでしょうか、って、下手な喩えですみません。