大学時代に観た懐かしい映画。既に本作の見所について他のレビュアーの方が的確に指摘しているので、私はこの映画の音楽について一言述べさせて下さい。私が知る限り、本作はキース・ジャレットのあの大傑作ケルン・コンサートを使った唯一の映画。無人島に持っていくCDの第1候補とするぐらいケルン・コンサートが好きな私にとって、キースの光の粒のようなピアノの音がかすかに聴こえてくるだけで、神経がそっちに集中してしまい、映像をじっくり味わえなくなる。昔映画館で本作を鑑賞した時、そしてDVDで繰り返し観ても、そうだ。それでもDVDを何度か観て本作の映像の素晴らしさにも目が行き届くようになったが、あまりにも美しい既存の曲・演奏を映画に用いたことは本作品にとってよいことだったのか、と映像と音楽の関係について今でも考えさせられる。