ガール・イン・レッド (大型本)

現代的解釈による赤頭巾ちゃんの絵本といえば、いまだに強く印象にのこっているのが、写真家:サラ・ムーンの作品だ。モノクロによる象徴的な表現が大人の想像力をかきたて衝撃的でした。それに勝るとも劣らないのが巨匠:インノチェンティによるこの絵本。現代の魔窟とかした喧噪的な都会を舞台に、おつかいに出かけた少女の身にせまるのは、人間の皮をかぶった狼の牙。毒々しいまでに色彩を駆使し、都会の繁栄と荒廃を臨場感いっぱいに描いた点はサラ・ムーン版と対照的ですが、根底にあるものはいっしょ。ただし、こちらは子どもにも配慮した結末ですね。これは物語の持つ力を信じている作者だからこその表現といえます。意思の力で自分の未来は変えることができるというメッセージにも受け取れるので。