相性 (単行本)

こういうタイトルだし、たぶんそういう人も多いだろうけれど、昭和の大スター百恵ちゃん(などと気安く呼んでみたりする)は今どうしているのかな、とちょっと気になって読んでみた。三浦友和氏の自伝。映画の公開にあわせ、ロングインタビュー形式でまとめて出版したことを最初に断ってある。子供のころに東京へ転校したときに味わった苦しみ。多摩へ引っ越して自分を取り戻し、RCサクセションのメンバーたちと会う。高校卒業後、専門学校へ行くといってバイトに明け暮れる。しかし、自分の才能の限界を知ってミュージシャンの道をあきらめ、TVの端役から俳優の道を進む。そして、山口百恵の相手役として抜擢されてから大ブレイクが始まる。一方、セリフがおかしいと監督に文句をいったり、酒を飲みすぎて翌日のロケの予定をキャンセルしたり、人気アイドル俳優の舞台裏には、いろいろなことがあったようだ。ドラマと映画で1年の半分くらい一緒にいたので、結婚は自然な成り行きだったという。新婚家庭に張り付く取り巻くマスコミ取材陣。三十路を過ぎてから減ってゆく仕事。相米監督。バブル時代に組んだ35年ローン。2人の子供の子育て。俳優としての考え方。結局、百恵ちゃん(気安く呼んでますが、今は人妻です)の情報はそんなに多くは無いけれど、ブレず、仕事に余計な口出しをせず、しっかり著者を支え続けていたことがわかる。また、一度も夫婦げんかをしたことがないという理由を、相性と説明している。真摯な語り口で書かれてあり、今までの歩みを謙虚に振り返っている。尚、本書による自身の利益は東日本大震災の被害に遭った方々へ全額寄付するということだ。