教えるということ (単行本)

 授業を行う際の,心構えを学ぶために本書を購入した。

学校の教員として,どうあるべきかが詳しく書かれている。

 私が本書で参考になった点は,次の通りである。

・子どもはどの先生に対しても絶対同じ気持ちで向かわなきゃならない。

子どもにとって先生は同格なんだから。

そうでなくて先生に上下をつけるようなことがあったんでは,ほんとうの勉強はできない。

「従の先生だなぁ。

」ということが心の底にあって,しかも一生懸命勉強するなんて芸当は子どもにはできはしない。

先生を心から尊敬して,唯一の先生として仰いでもらわなければ,教育はできない。

・もし,人間にアイデアがなかったら,機会の方がずっと上等な存在です。

それを考えれば,アイデアが浮かぶことこそ貴重な人間らしさではないでしょうか。

どうか,みなさん,人の言っていることをそのまま受け取って,そのとおりにやって,そしてなんとかお茶を濁す,そういう老人めいたことをなさらないで,「新しく生み出していこう。

」とうことをなさってください。

・教師はやっぱり子どもを尊敬することが大切です。

さしあたり年齢が小さくて,先に生まれた私が先生になりましたが,子どもの方が私より劣っているなんていうことはないんです。

・子どもに反抗されることは,私にとってはとても喜びであり,楽しいことだと思います。

彼らは私を乗り越えて行くのです。

みなさん!ほんとうにそうお思いになりませんか。

私たちの程度のところにとまった子どもがたくさんいたらどうしますか。

日本は滅びてしまいますよ。

「乗り越えて行くこと」,「正しく批判し,反撥すること」は,ほんとうに良いことだと思います。

・職業人に徹するということは,子どもが一人で生きぬくために,どれだけの力があったらよいか,それを鍛えぬこうとするのが,それぞれの先生の愛情だと思いますし,ほんとに鍛えぬく実力が先生の技術だと思います。

・大人になるということは,まず自分のことは自分ですることです。

・毎日の生活のなかで,少しでも,ことばを豊かに使っていきたいものでございます。

それは,つまり,自分というものを,自分の生活というものを豊かにしていくことであると思います。

 以上である。

この本を読んで私が感じるのは,先生といっても,人間であることに変わりはなく,生徒から尊敬されるためには,先生自身が生徒のことを真剣に考え,日々自分自身を成長させるために不断の努力をしていかなければならないといことである。

先生であっても,一人の人間であることに変わりはなく,そういう意味では,生徒と同じように「成長途中」である。

しかし,「先に生まれた」というこの巡り合わせのために,生徒と出会い,共に過ごしているに過ぎない。

だから,先生である前に,一人の人間であることを自覚し,その人の生き様そのものが,生徒から尊敬の対象になるような人間なければならないと強く感じる。

そして,これは何も教師に限った話ではなく,世間一般に言えることでもある。

だから,先生だけが特別とくわけでは決してない。

しかし,教師が教師たる理由は,「自分は特別な存在である」という傲った感情を,誰よりも先に捨て去ることができる点にあるのではないかと,私は思う。