なにしろとてつもなく長い期間を物語っているので、最初から最後まで出てくる人物はいないのだが、もっとも広く長く登場する人物は怪僧・文覚と阿部麻鳥だろう。
それに続くのが大歌人・西行と源頼朝であろうか。
「平家物語」の主人公は平清盛なのだが、彼の没後から本格的な源平合戦がはじまるので、その登場期間は彼らほど長くない。
第一巻では清盛の家庭内の確執とのその生まれにまつわる秘密、遠藤盛遠(文覚)との交友と遠藤が起こした大事件、佐藤義清(西行)の出家のいきさつ、鳥羽上皇と崇徳天皇との角逐など、当時の世情と主たる登場人物の背景などを描いていたが、第二巻からはいよいよ保元の乱と平治の乱の勃発となる。
この大乱をきっかけとして、世は乱れはじめる。
また阿部麻鳥もこの巻からの登場となる。
彼はこの物語を通して様々な場面で姿をあらわす狂言まわしのような存在だ。
もちろん架空の人物である。
彼はただの庶民であり、歴史を左右する存在ではない。
だが物語は彼の目をとおすことで単なる軍記物に留まらず、庶民の視点が加わった複眼的なものになっている。
それに続くのが大歌人・西行と源頼朝であろうか。
「平家物語」の主人公は平清盛なのだが、彼の没後から本格的な源平合戦がはじまるので、その登場期間は彼らほど長くない。
第一巻では清盛の家庭内の確執とのその生まれにまつわる秘密、遠藤盛遠(文覚)との交友と遠藤が起こした大事件、佐藤義清(西行)の出家のいきさつ、鳥羽上皇と崇徳天皇との角逐など、当時の世情と主たる登場人物の背景などを描いていたが、第二巻からはいよいよ保元の乱と平治の乱の勃発となる。
この大乱をきっかけとして、世は乱れはじめる。
また阿部麻鳥もこの巻からの登場となる。
彼はこの物語を通して様々な場面で姿をあらわす狂言まわしのような存在だ。
もちろん架空の人物である。
彼はただの庶民であり、歴史を左右する存在ではない。
だが物語は彼の目をとおすことで単なる軍記物に留まらず、庶民の視点が加わった複眼的なものになっている。