ヒッチコック1935年・イギリス時代の作品。
栴檀は双葉より芳し、というが、後の巨匠は自己のサスペンス映画を構成する要素の基本的アイデアを既に固めていたことがわかる。
巻き込まれで始まる事件、列車、警察、スパイ組織、男性主人公と手錠でつながれる女性主人公、反発から好意に変化する人間関係、劇場での騒動、思わぬ人物が鍵を握っている意外性、オープニングとラストを整合させる巧みさ。
何れも後の作品に登場する。
これで男女の主人公が華のあるハリウッド・スターで撮影がもっと大がかりなら、アメリカ時代の傑作に立派に比肩し得る。
廉価で十分楽しめる作品だ。
なお、原題は39 Stepsで、夜は無関係。