オランダの作曲家のヨハン・デメイが生み出した『エクストリーム・メイク=オーヴァー(Extreme Make-over)〜チャイコフスキーの主題による変容〜』をシエナ・ウインド・オーケストラが演奏するということで期待して聴きました。ヨーロピアン・ブラス・バンド連盟の委嘱作品です。サックス系や金管楽器の特徴をとらえた曲で、「アンダンテ・カンタービレ」から始まるチャイコフスキーのテーマの変奏を追いかけているだけで楽しめました。後半のガムランのようなパーカッションの箇所もまた無国籍的な雰囲気に包まれ、聴きごたえがありました。チャイコフフキーのメロディ・メイカーの冴えを聴く「弦楽のためのセレナード」は、福田洋介のアレンジによって違う魅力をまとったかのようでした。第1楽章の冒頭の有名な箇所はコラールのような荘厳さに包まれ、オリジナルの弦楽よりも管楽器のほうが楽器の音色差もあり、各パートの旋律線が浮かび上がって聴こえます。ハーモニーも管楽器特有の倍音に包まれており、異なる楽器を重ねたユニゾンも旋律の深さと広がりをもたらしました。佐渡裕の感性によってハーモニーの響きを大切にした演奏が展開されますし、シエナの響きの優しさと美しさに魅了されながら第1楽章を堪能しました。「大序曲《1812年》」も「のだめ」の映画の影響もあり、いろいろな演奏を楽しめるようになりました。シエナの木管楽器の柔らかい響きと後半の金管楽器の咆哮は「大序曲《1812年》」のドラマ性を絵画的に浮き上がらせるものでした。目の前でスペクタクルシーンが展開されているようです。大砲の響きの再現は我が家のアンプやスピーカーでは難しかったですね。