本作は94、96年のコンサートのベスト・オブ・ライヴを集めたディスク1と、既発表のアルバムからの曲プラス新曲2曲(うちザ・レブル・ジーザスは後にソロ・アコースティック第一集の日本盤にボーナス・トラックとして収録される)からなるベスト盤のディスク2からなる。このうち、ベスト盤の方は当初から彼の名曲を1枚に集めること自体、及び選曲に難があると指摘され(例えばザ・ロード・アウトに続いてこそのステイなのに、ステイだけをフェイド・インさせるとは!)、後にCD2枚組のヴェリー・ベスト・オブ・ジャクソン・ブラウンが発売されたので、本ベスト盤の意義は新曲(15)、(16)が聴けることだけとなった。それに対し、ディスク1は彼の唯一の、バンド((5)だけはピアノの弾き語りだが)での全曲コンサート・ライヴのCDとして不滅の光を放つ。選曲でも彼のベストを1枚のCDで構成するならこちらの方に納得する人が多かろう。ザ・ロード・アウト(歌詞に出てくるヴィデオがブレイブハートになっている!)とステイはメドレーで、終盤はスプリングスティーンと共演したノー・ニュークス・コンサートの際の興奮が蘇る。大作ビフォー・ザ・デリュージは黙示録的雰囲気が濃厚となった。このアレンジは必聴。バンドにD.リンドレーもR.バトラーもいないが気にはならず、マーク・ゴールデンバーグ(g)等のバンドが強力に彼を支えており、70年代の名曲に90年代の息吹を吹き込んでいる。非70年代の曲(2)、(3)、(10)は原曲に近いが、ライヴならではの熱気が堪らない。(4)がフェイド・アウトして終わるのが唯一の不満。本作は、98年と03年に発売された。03年盤が98年盤をリマスターしたのか私は知らないが、03年盤が入手困難な人にはこの98年盤の入手を薦める。私はこのライヴの録音状態の良さに満足している。