音楽の好みは千差万別なので、誰が最高の音楽家とは言い難い。しかし、個人的にはモリコーネはベスト1の映画音楽家だと思っている。彼の音楽は単なる映画の添え物ではなく、各曲が独自のテーマを持ち、映画自身の演出に大きく貢献している。映画によっては観賞後にBGMを思い出せない作品もあるが、モリコーネ作品の映画は彼の音楽でなくては、映画のイメージは180度変わるだろうものが多い。本作は間違いなくモリコーネなくしてはありえない映画だった。それだけ曲の使い方は効果的で、聞く者の感情を揺さぶる。ある時は愉快に、ある時は不快にするほどに…。本アルバムには収録はされないが、本作のオープニングは自然音だけでBGMを演出するという画期的な試みがなされている。映画未鑑賞でもお薦めできるアルバムだが、本アルバムを視聴して「なんだこれは?」と思ったら本編の方もご覧頂けたらと思う。因みに本品は2004年リマスター盤の再販モノであるが、日本語解説は折り込み式ではなくブックレットにプリントされており、しっかりと2008年に書き直されたものだ。安直に再版盤を安価で発売すればいいやという姿勢のメーカーが多い中で本品のように丁寧につくられた商品は好感が大いに持てる。