クッツさんの作る靴をもとめて、様々な動物たちがお店にやってくる。そして最後のお客が難題を持ち込むという流れは、絵本ではお馴染みの展開。と、油断していたら意外な結末で、んっ??? となってしまった。工場での大量生産によって、職人による手作業の味わいが世の中から失われていくことを警告するという社会的テーマを含んだ内容。その意味では、サラ・ファネリを彷彿させる、デザイン的なコラージュが成功していると思います。手作業の味わいが絵から伝わってくるので。同じ内容を写実的に描いたら、重苦しいものになったでしょうし。記号化された絵でありながら、時とともにのびていくクッツさんのヒゲが、生命感をもちこみ、絶妙なバランスをとっています。