1944年の『脱出 特別版 [DVD]』で、ハンフリー・ボガートの相手役として鮮烈なデビューを飾った、伝説的女優、ローレン・バコール。
彼女が自伝『私一人』に次いで、自身の人生観を綴った好随想。
まえがきでバコール自身が述べているように、自伝の続編ではなく、「仕事」、「子ども」、「演技」…という項目ごとに、69歳になった彼女が(94年時)、一人の人間、一人の女性として、自身の実人生から得たさまざまな思いを思慮深く、しかし飾り気なく、かつユーモアを交えて率直に語っている。
19歳という若さながら、将来の夫になるボギーを前にしても、全く物怖じすることなく、クールな態度で登場した姿があまりに強烈なので(「マッチある?」)、私生活でも、そのイメージのまま、自立的で、強い女性であるに違いないというのが、多くの映画ファンのバコール観ではないだろうか。
少なくとも強くなければ、ボギーとの死別、8年間のジェーソン・ロバーズとの不幸な結婚、シングル・マザーとしての3人の子育て…といった困難を乗り越えることは容易ではなかったはずだ―と思う。
ところが、本書を読むと、バコールが、いかに、ごく普通の人間同様、常に不安や悩みにさいなまれ、弱い面を持った人間であるかということがわかる。
仕事のオファーの有無への不安、愛犬の死への悲しみ、老いていくことへの怖れ、大人になった子どもたちへの変わることのない親としての心配(奇しくも、かつての夫、ジェーソン・ロバーズが『バックマン家の人々 【ザ・ベスト・ライブラリー1500円:2009第1弾】 [DVD]』で演じた大家族の長のように)…、バコールの心は全く安らぐことがない。
何事にも動じない強さを持っているようにみえるバコールが、いまだに演じる時に(映画/舞台かかわらず)不安になってドキドキする、という記述を読んだりすると、驚くとともに、親近感が沸く。
その姿は、一般人と何ら変わりがない。
しかし、自分の弱さを客観的に見つめることができたからこそ、バコールはやはり強く生きて来られたのだろう。
弱さを知るからこそ、強くなれる―逆説的だが、それがバコール流処世術なのだと思う。
おそらく、本書に興味を抱くのは、まずは映画ファンだと思うが、上記のように、人生を相手に戦ってきた、一人の聡明な女性の教えとして、誰が読んでも楽しめ、心から勇気の沸く一冊だ。
残念なのは、翻訳初版後、増刷もなく、文庫化もされず絶版になっていること。
『私一人』と併せて、文庫化するのが急務だろう。
彼女が自伝『私一人』に次いで、自身の人生観を綴った好随想。
まえがきでバコール自身が述べているように、自伝の続編ではなく、「仕事」、「子ども」、「演技」…という項目ごとに、69歳になった彼女が(94年時)、一人の人間、一人の女性として、自身の実人生から得たさまざまな思いを思慮深く、しかし飾り気なく、かつユーモアを交えて率直に語っている。
19歳という若さながら、将来の夫になるボギーを前にしても、全く物怖じすることなく、クールな態度で登場した姿があまりに強烈なので(「マッチある?」)、私生活でも、そのイメージのまま、自立的で、強い女性であるに違いないというのが、多くの映画ファンのバコール観ではないだろうか。
少なくとも強くなければ、ボギーとの死別、8年間のジェーソン・ロバーズとの不幸な結婚、シングル・マザーとしての3人の子育て…といった困難を乗り越えることは容易ではなかったはずだ―と思う。
ところが、本書を読むと、バコールが、いかに、ごく普通の人間同様、常に不安や悩みにさいなまれ、弱い面を持った人間であるかということがわかる。
仕事のオファーの有無への不安、愛犬の死への悲しみ、老いていくことへの怖れ、大人になった子どもたちへの変わることのない親としての心配(奇しくも、かつての夫、ジェーソン・ロバーズが『バックマン家の人々 【ザ・ベスト・ライブラリー1500円:2009第1弾】 [DVD]』で演じた大家族の長のように)…、バコールの心は全く安らぐことがない。
何事にも動じない強さを持っているようにみえるバコールが、いまだに演じる時に(映画/舞台かかわらず)不安になってドキドキする、という記述を読んだりすると、驚くとともに、親近感が沸く。
その姿は、一般人と何ら変わりがない。
しかし、自分の弱さを客観的に見つめることができたからこそ、バコールはやはり強く生きて来られたのだろう。
弱さを知るからこそ、強くなれる―逆説的だが、それがバコール流処世術なのだと思う。
おそらく、本書に興味を抱くのは、まずは映画ファンだと思うが、上記のように、人生を相手に戦ってきた、一人の聡明な女性の教えとして、誰が読んでも楽しめ、心から勇気の沸く一冊だ。
残念なのは、翻訳初版後、増刷もなく、文庫化もされず絶版になっていること。
『私一人』と併せて、文庫化するのが急務だろう。