「史上最強カラー図解 世界服飾史のすべてがわかる本」というタイトル通りの内容だと思います。
服装やファッションの歴史は、現物の衣装が残り辛い訳で、関心はあるのになかなか分からないジャンルですが、本書所収のイラストが具体的なイメージを上手く伝えてくれました。
肖像画などの絵画を見ていますと、ヨーロッパの権力者・治世者が数多く登場しますので、政治史の流れも理解できると思います。
当然、貴族だけでなく、庶民の生活の一部ですから、当時の世相を反映しますから、社会史的な側面もあるでしょう。
文明や文化の発達共に服装も変遷していくわけで、美術史や文化史としても捉えられるわけで、多岐にわたるアプローチが可能な学問分野だと思いました。
膨大な情報が掲載されていました。
「古代〜服の誕生と古代文明〜人類が服を求めた理由と、基本的な形を解説。
」では、メソポタミア文明のシュメール、古バビロニア王国、アッシリア、ペルシアに始まり、古代エジプト、ギリシア〜エーゲ文明やギリシア文明、ローマ文明など世界史の教科書ではほとんど触れられていないほど詳しい服装の歴史が列挙されています。
読み物としても優れていました。
「中世〜豪華な装飾の時代〜文化が発展しだした中世ヨーロッパを中心に服飾を紹介。
」では、ビザンティン文化(5〜10世紀)、ロマネスク様式(11〜12世紀)などが記されています。
54ページのイラストのように、ブリオー、トゥニカとマントなど、映画で見るような中世の衣装が描かれており、多方面のジャンルで有用な情報でした。
「近世〜国同士で影響する服飾〜ブルジョワジーが登場した近世ヨーロッパの新しい服飾とは。
」の「ルネサンス最盛期の豪華絢爛な衣装」では、エリザベス1世時代の男女のファッションがイラストや絵画を駆使して図解してあり、分かりやすく見ていて参考になるものでした。
「近代〜近代化への目覚ましい進行〜イギリスの産業革命がもたらした服飾史への影響を見ていこう。
」では、エンパイア・スタイルの時代、豊かな平民階級のファッション、 王政復古時代の貴族調衣装、クリノリンとバッスルスタイルの時代などが記してあり、少しずつ現代でも取り入れられそうな服装になってくるのが分かると思われます。
ココ・シャネル、バーバリーのトレンチコート、アール・デコ、プレタポルテ、エスニックやパンクの流行、日本に巻き起こったDCブランド旋風など、現代の服装に直結する流れもしっかりと説明してありました。
「民族衣装〜独特の進化を遂げた衣装〜流行の影響を受けない民族衣装を詳しく見ていこう。
」も類書にない工夫でしょう。
ブータン国王の結婚式など時事性も盛り込んであり、北・西アフリカのイスラミックな衣服などの斬新ともいえる色使いは興味をひきました。
「日本〜和から洋へ著しい変化〜私たちの国の服の歴史と、世界に誇る現代の服飾文化を解説。
」は他書の方が詳しい流れが分かるので省略します。
歴史だけでなく、「Japanese Fashion Storyファッション史を創るパイオニアに訊く」のコラムでは「HANAE MORI〜日本人デザイナーの第一人者〜」「HIROKO KOSHINO〜アートとデザインを融合させた女性〜」「YOICHI NAGASAWA〜常識に囚われない物づくりを〜」「YOSHIE INABA〜ファッションを後世に伝える経営者〜」「TAKEO KIKUCHI〜メンズファッションの先導者〜」や、日本の服飾文化を発展させた企業に訊くでは「三越〜日本初の“ファッション・ショウ”〜」「ワコール〜ブラジャーで日本の女性を美しく〜」「ユニクロ〜日本のファスト・ファッションの先駆者〜」など現代を知る上で必要な読み物も充実していました。
筆者の能澤慧子氏は東京家政大学服飾美術学科教授で、服飾史全般、特にヨーロッパ服飾文化史、19・20世紀を専門としている研究者です。
服装やファッションの歴史は、現物の衣装が残り辛い訳で、関心はあるのになかなか分からないジャンルですが、本書所収のイラストが具体的なイメージを上手く伝えてくれました。
肖像画などの絵画を見ていますと、ヨーロッパの権力者・治世者が数多く登場しますので、政治史の流れも理解できると思います。
当然、貴族だけでなく、庶民の生活の一部ですから、当時の世相を反映しますから、社会史的な側面もあるでしょう。
文明や文化の発達共に服装も変遷していくわけで、美術史や文化史としても捉えられるわけで、多岐にわたるアプローチが可能な学問分野だと思いました。
膨大な情報が掲載されていました。
「古代〜服の誕生と古代文明〜人類が服を求めた理由と、基本的な形を解説。
」では、メソポタミア文明のシュメール、古バビロニア王国、アッシリア、ペルシアに始まり、古代エジプト、ギリシア〜エーゲ文明やギリシア文明、ローマ文明など世界史の教科書ではほとんど触れられていないほど詳しい服装の歴史が列挙されています。
読み物としても優れていました。
「中世〜豪華な装飾の時代〜文化が発展しだした中世ヨーロッパを中心に服飾を紹介。
」では、ビザンティン文化(5〜10世紀)、ロマネスク様式(11〜12世紀)などが記されています。
54ページのイラストのように、ブリオー、トゥニカとマントなど、映画で見るような中世の衣装が描かれており、多方面のジャンルで有用な情報でした。
「近世〜国同士で影響する服飾〜ブルジョワジーが登場した近世ヨーロッパの新しい服飾とは。
」の「ルネサンス最盛期の豪華絢爛な衣装」では、エリザベス1世時代の男女のファッションがイラストや絵画を駆使して図解してあり、分かりやすく見ていて参考になるものでした。
「近代〜近代化への目覚ましい進行〜イギリスの産業革命がもたらした服飾史への影響を見ていこう。
」では、エンパイア・スタイルの時代、豊かな平民階級のファッション、 王政復古時代の貴族調衣装、クリノリンとバッスルスタイルの時代などが記してあり、少しずつ現代でも取り入れられそうな服装になってくるのが分かると思われます。
ココ・シャネル、バーバリーのトレンチコート、アール・デコ、プレタポルテ、エスニックやパンクの流行、日本に巻き起こったDCブランド旋風など、現代の服装に直結する流れもしっかりと説明してありました。
「民族衣装〜独特の進化を遂げた衣装〜流行の影響を受けない民族衣装を詳しく見ていこう。
」も類書にない工夫でしょう。
ブータン国王の結婚式など時事性も盛り込んであり、北・西アフリカのイスラミックな衣服などの斬新ともいえる色使いは興味をひきました。
「日本〜和から洋へ著しい変化〜私たちの国の服の歴史と、世界に誇る現代の服飾文化を解説。
」は他書の方が詳しい流れが分かるので省略します。
歴史だけでなく、「Japanese Fashion Storyファッション史を創るパイオニアに訊く」のコラムでは「HANAE MORI〜日本人デザイナーの第一人者〜」「HIROKO KOSHINO〜アートとデザインを融合させた女性〜」「YOICHI NAGASAWA〜常識に囚われない物づくりを〜」「YOSHIE INABA〜ファッションを後世に伝える経営者〜」「TAKEO KIKUCHI〜メンズファッションの先導者〜」や、日本の服飾文化を発展させた企業に訊くでは「三越〜日本初の“ファッション・ショウ”〜」「ワコール〜ブラジャーで日本の女性を美しく〜」「ユニクロ〜日本のファスト・ファッションの先駆者〜」など現代を知る上で必要な読み物も充実していました。
筆者の能澤慧子氏は東京家政大学服飾美術学科教授で、服飾史全般、特にヨーロッパ服飾文化史、19・20世紀を専門としている研究者です。