通常の進化学の本は、生物の全体的な機能や形状の進化を取扱い、器官レベルの詳しい話は少ない。
その点、本書の著者は、解剖学者であるので、専門の解剖学に進化学の視点を追加することで、本書のような器官レベルの分かり易い解説が可能になる。
この点は、ユニークな前著『図解・感覚器の進化-原始動物からヒトへ 水中から陸上へ』(講談社ブルーバックス)で証明済みである。
本書も、期待に違わない興味深い本である。
本書では、呼吸器系、消化器系、泌尿器系、生殖器系、および内分泌系に分け、水中から陸上へと進化するにつれて、内臓がどのように「改造」されてきたかを明快な多くの図を用いて図解している。
最後の章では、昆虫が独自の進化の結果、脊椎動物の内臓と非常によく似た「進化の収斂」を遂げたことがまとめられており、昆虫を見る目が変わりそうだ。
各臓器について、興味深い進化上のエピソードが語られる。
たとえば、水中生活時代の鰓から、陸上生活に適応するために肺を作り出した話、動物食から植物食への転換に当たり、微生物を体内に取り込みセルロースを消化可能にした話、実に様々な生殖器の形態などである。
いずれも、進化の極めて初期段階から、後の展開の「素材」が既に仕組まれており、その素材が環境の変化に応じて、機能や形状を変えていくという、進化の精妙さに改めて驚いた。
人間の立場からは、自らの内臓の起源を知るという点で、本書は十分知的好奇心を満足させてくれる。
著者には次に、進化医学の視点からの分かり易い図解本を書いて頂くことを期待したい。
その点、本書の著者は、解剖学者であるので、専門の解剖学に進化学の視点を追加することで、本書のような器官レベルの分かり易い解説が可能になる。
この点は、ユニークな前著『図解・感覚器の進化-原始動物からヒトへ 水中から陸上へ』(講談社ブルーバックス)で証明済みである。
本書も、期待に違わない興味深い本である。
本書では、呼吸器系、消化器系、泌尿器系、生殖器系、および内分泌系に分け、水中から陸上へと進化するにつれて、内臓がどのように「改造」されてきたかを明快な多くの図を用いて図解している。
最後の章では、昆虫が独自の進化の結果、脊椎動物の内臓と非常によく似た「進化の収斂」を遂げたことがまとめられており、昆虫を見る目が変わりそうだ。
各臓器について、興味深い進化上のエピソードが語られる。
たとえば、水中生活時代の鰓から、陸上生活に適応するために肺を作り出した話、動物食から植物食への転換に当たり、微生物を体内に取り込みセルロースを消化可能にした話、実に様々な生殖器の形態などである。
いずれも、進化の極めて初期段階から、後の展開の「素材」が既に仕組まれており、その素材が環境の変化に応じて、機能や形状を変えていくという、進化の精妙さに改めて驚いた。
人間の立場からは、自らの内臓の起源を知るという点で、本書は十分知的好奇心を満足させてくれる。
著者には次に、進化医学の視点からの分かり易い図解本を書いて頂くことを期待したい。