世界 2010年 04月号 [雑誌] (雑誌)

 寺島実郎の 脳力のレッスン「ゴジラを産んだ心情」が興味深かった。

 1964年生まれの僕も ゴジラ映画は好きだったが 僕がリアルタイムで見たころのゴジラは 既に正義の味方であった。

世界を他の怪獣や宇宙人から守ることがゴジラの役目であったわけだ。

大人になって 初めの「ゴジラ」を見た際に ゴジラ自身が当時は「悪」であったことに聊か驚いた記憶がある。

 そんなゴジラの変容を 戦争に対する日本人の思いの変容に重ねる本記事は非常に説得力があった。

 反戦というテーマ自体は いずれのゴジラ映画の底に流れている。

但し 初期の「ゴジラ映画」は 「ゴジラ」こそが戦争=悪であり それを日本人が倒すという話だった。

 それが 新作を作り続けるうちに 戦争=悪を倒す主体が 人間からゴジラに変わったという点で 全く違う話になった。

 人間の役割はせいぜいゴジラを助けることであり 悪と戦い、傷つき、最後に勝利するのは ゴジラという 「異人」になってしまった。

非常に強引に言うならば 正義の味方ゴジラという「異人」と 例えば米軍基地という「異人」とに 重なるものがあるかどうかについても検証されてみても良いのかもしれない。

 小さい頃は 土曜日の午後に よく怪獣映画をTVで観たものだ。

その懐かしさも覚えつつ その底にあるものを見極めようとすることは確かに 脳力のレッスンであろうと考えた次第だ。