南極物語 ― オリジナル・サウンドトラック (CD)

蔵原 惟繕(くらはら・これよし)監督。

映画「南極物語」のサウンドトラックです。

分厚い氷に閉じこめられた南極観測船「宗谷」は、海外船の助けを借りて何とか外海へ脱出したものの、吹き荒れるブリザードに阻まれ、カラフト犬を連れて帰ることができませんでした。

しかも、犬たちは無情にも鎖に繋がれたまま。

失意の中、帰国した越冬隊には罵声が浴びせられたのでした。

彼らの骨を拾うつもりで、再び南極大陸に降り立った越冬隊は、そこで信じられない光景を目にしました。

訓練当時まだ子供だった2匹のカラフト犬「タロ」と「ジロ」が生きていたのです。

日本中に感動を呼んだこの出来事を映画にしたのが、「南極物語」です。

音楽を担当するのは、ギリシア人シンセサイザー奏者:ヴァンゲリス。

前作「炎のランナー」でアカデミー賞を受賞。

「最高の作曲家」が、大自然の物語に挑む新作と言うことで、世界的にも注目を集めました。

結果的に、この起用は大成功であったと思います。

メイン・タイトル「Antarctica/南極物語」が全てを物語っています。

以後、現在に至るまで、極寒の地の映像では、必ずと言っていい程この曲が使われ続けています。

日本の映画との事で、「琴」を模した音色のシンセサイザーがリードします。

使われている音は、たったの8音。

♪ ド ・ シ ・ ソ ・ ラ ・・・・♪ ファ ・ ミ ・ ド ・ レ ・・・・にも関わらず、美しく壮大な「雪と氷の世界」を見事に描写しており、楽曲として完璧な完成度であると思います。

丘の上に微かに動く二つの影=タロ・ジロとの感動の再会を、これ以上ない音楽で盛り上げてくれています。

「ブレードランナー〜ベスト・オブ・ヴァンゲリス」等に収録のものは、4分弱の適度な長さに編集した Short Version で、気軽に聴くならこれも良いですが、素晴らしいメイン・タイトルですので、是非 7分にも及ぶ Full Version も揃えてはいかがでしょうか。