図説世界史を変えた50の動物 (単行本)

デザインがきれいで、センスが良い。

意図的に少し黄ばんだような紙に印刷されて、ちょっとレトロな雰囲気を醸し出している。

また、写真や絵がふんだんに盛り込まれている。

めくっていて、つい楽しくなる。

病原菌の運び屋として絶大な被害をもたらしたというような好ましくない関係も含めて、人類と深いかかわりのある生き物50種を選び、生物学的及び歴史的な視点から解説した本である。

著者は歴史と哲学を専門とするイギリスのジャーナリスト。

タイトルには「50の動物」とあるが、実際は虫や鳥や魚介類も含まれている。

蚊、ミツバチ、ミンククジラ、アメリカヤギュウ、アクキガイ、蚕、牛、らくだ、狼、犬、山羊、ビーバー、ニシン、鳩、鯉、カイガラムシ、ショウジョウバエ、ロバ、馬、ハヤブサ、猫、ニシマダラ、鶏、ダーウィンフィンチ、ハクトウワシ、ヒル、イグアノドン、ラマ、象、ミミズ、ミドリゲンセイ、七面鳥、コブラ、ウサギ、タマオシコガネ、羊、チンパンジー、ライオン、シラミ、アザラシ、真珠貝、こうもり、トナカイ、ドードー、ネズミ、タマオシコガネ、サバクバッタ、住血吸虫、豚、ノミ、最後は人。

多くのエピソードが盛り込まれていて面白い。

血を吸うヒルが西洋の医療で大活躍していたことや、旧ソ連の対戦車犬、DDTが食物連鎖の頂点に立つ猛禽類に与えた影響。

ペストやインフルエンザなど人類を危機に陥れた病気の流行。

日本の招き猫の写真も登場する。

本書を読んでつくづく思ったのは、イグアノドンは別として、人間との関係が多くの生き物の盛衰を分けたのだな、ということ。

例えば、元々ありふれた動物だった狼は激減し、狼の仲間から分かれた犬は人類の友として多種に分かれて世界で愛されている。

珍しい生き物ではなかったライオンやアメリカヤギュウやゾウは保護が必要な動物となり、牛や馬や豚や鶏は家畜として徹底的に効率よく育てられている。

ネズミのように人間の生活の場に繁栄の活路を見出した生物もある。

世界史を変えた50の動物の最後が人間で締めくくられているのは象徴的である。